2014年8月19日火曜日

試される地元愛。地域密着型ご当地チャント特集

ご無沙汰しております。中の人です。


地域密着を基本理念のひとつに掲げるJリーグ。
その甲斐あってか、サポーターの応援にも地域色豊かなチャントが数多く存在します。
今回はそんなご当地ネタの一部をご紹介します。

桃太郎のうた

(ファジアーノ岡山)


いきなりですが、ご当地ネタでこれに敵うものはないような気がします。少なくとも日本国民ほぼ全員が知っているという点では最強。
数年前のヴェルディ戦@味スタで、このチャントに釣られて寄ってきた大学生らしきグループがサポーターに飛び入りし最後まで一緒に応援していたのが印象的でした。

基本的にはアウェイゲームで歌うチャントですが、稀にホームで歌うこともあるようです。ブルーハーツの「シャララ」もあわせて岡山のご当地チャントですね(甲本ヒロトは岡山県出身)。岡山駅で食べた吉備団子はおいしかったです。

(アグレミーナ浜松)


静岡県民にはお馴染みのローカルCM。聞くところによると、静岡県の山田さんはだいたいこのCMをネタにいじられるものだとか(真偽は不明)。山田大記が磐田に加入した際「チャントにしたらいいんじゃね?」という声があったような無かったような。Fリーグ所属アグレミーナ浜松のウナトラスがチャントに使っています。会社のHPにカラオケバージョンが公開されているので、静岡が恋しくなったら歌ってみるのも良いかもしれません。

I Fought The Law / The Criket

(清水エスパルス / JIROCHO)




海道一の大親分こと清水次郎長にあやかったチャント。中の人は他県民なので「そういやちびまる子ちゃんに出てきたなぁ・・・」という程度の印象しかないのですが、清水ではエスパルスとお茶に並ぶ名物で、町には次郎長さんの銅像が建ってるとか。

オリジナルは、ロックンロール黎明期に活動していたThe Crickets(あのバディ・ホリーがいたバンド)ですが、カヴァーされすぎて誰の曲だか分からなくなっている感があります。おそらく最も有名なのは車のCMにも使われていたThe Clashバージョン。Youtubeで曲名を検索するとオリジナルよりも上にくるので、知らない人がみたらこっちがオリジナルだと勘違いしてしまうかも。
ほかにも、Stray Cats、Grateful Dead、Social Distortion、Dead Kennedys、Green Dayなど、ざっと思い出すだけでもそうそうたるメンツがカヴァーしています。

2013年の新チャントのはずがスタジアムで聞く機会はほとんどなかったので、そのままお蔵入りかと思いきや今年に入ってから復活していた模様。


(セレッソ大阪)



吉本新喜劇の曲らしいのですが、中の人は文化圏が違うため詳細は不明。大阪らしさを感じさせる素敵な選曲だと思いますが、同じ大阪でもガンバには似合わないように思えるのは何故でしょう。以前は徳島も歌っていたようですが、四国でも新喜劇は人気があるのでしょうか。

(徳島ヴォルティス)


日本で初めて第九が演奏されたのが徳島県鳴門市だったそうで、これを歌ってからスタメン発表というのがお決まりの流れ。ゴール裏にはベートーヴェンが描かれたダンマクも出てます。

京都慕情 / The Ventures

(京都サンガFC)[チャント]

初めてbotで流した際に「あれ?渚ゆう子さんの曲じゃないの?」という声をちらほら頂きましたが、オリジナルはあのベンチャーズ。外国人が作ったとは思えないほどの京都感。


(カマタマーレ讃岐)[チャント]


カマタマーレ讃岐が選手入場時に歌うチャント。アウェイ讃岐戦に遠征される方は高松~丸亀間を電車で移動すると駅のホームでも聞けます。燦ちゃんとは無関係です。

(愛媛FC / 藤直也)[チャント]

曲からレトロな雰囲気が漂っているけど一体いつ頃使われていたものなのか?未だにスタジアムで歌っている動画がアップされていないみたいだけど本当に歌われているのか?松山市街でフジショッピングセンターを見かけなかったけど何処にあるの?というかそもそも何屋さんなの?個人的に疑問は尽きません。

八木山ベニーランドの歌

(楽天イーグルス)[チャント]

番外編。ガリガリ君の歌じゃん!としょっちゅう言われていますが違います。仙台駅からバスで1本、八木山のベニーランドです。もちろんハワイの大砲アグバヤニでもないです。


2014年7月30日水曜日

テーハミングだけじゃない。韓国Kリーグのチャント事情

成田-仁川間のフライト約2時間半。時差無し。我が国から最も近い外国、韓国。

(東アジア選手権@チャムシル競技場にて。試合後はさぞ殺伐としているのだろうと身構えてスタジアムを出たら日韓両国のサポーターが記念撮影していて拍子抜けしたのを覚えています。)


昨年の東アジア選手権で「歴史を忘れた民族に未来はない」というメッセージとともに李舜臣と安重根のビッグフラッグが掲出された件はまだ記憶に新しいところ。度重なるラフプレーや政治的主張で韓国サッカーに対してネガティブなイメージを持っている方も多いかと思います。
何かとめんどうな方向に話題をふりまく韓国代表サポーターグループ「レッドデビルズ」ですが、その一方で、Kリーグのサポーターがどういった応援を展開しているのかというのはあまり知られていないように思います。


というわけで、今回はKリーグクラブのチャントを原曲を交えて紹介していきます。


水原三星ブルーウィングス


韓国最大規模のサポーター数を誇るスウォンサムスン。バンデーラ(タスキ)を多用しアルゼンチン太鼓を打ち鳴らすザ・南米インチャスタイルが基本ですが、時折Moonlight ShadowやYellow Submarineでイタリア感を匂わせてくることも。(集会動画)




水原三星といえばコレという代表的なチャントですね。原曲はNO BRAINという韓国のパンクバンド。チャントの歌詞で歌ったバージョンも存在します。

2001年にフジロックフェスで来日した際、韓国国歌を歌いながらステージで日章旗を破るパフォーマンスを行い話題になりました。過激な反日思想を持ったバンドなのかと思いきや意外に親日家だったそうで、ボーカルが影響を受けたバンドのひとつがTHE BLUE HEARTSだったり、SNAIL RAMPやロリータ18号と友達だったり、YOUNG PUNCHのプロデュースでUKプロジェクトからCDを出したりと日本のバンドとも親交があったようです。韓国ではかなりの人気を誇るバンドで、海外のフェスに出演するなど現在も活動中。どんなに売れても小さいライブハウスでの活動を信条にしているという点にパンクスとしての気概を感じます。


(1分36秒~)

世界有数のチャント製造工場、San Lorenzoからの流用。




日本でもおなじみのエンターテイナーですが、韓国ではよりオリジナルに忠実なメロディーで歌われています。


仁川ユナイテッド



水原に比べサポーターの規模は劣りますが、ビッグフラッグ、スタジアムへの集団行進(コルテオ)などウルトラス的見どころの多い仁川。イタリア風の応援と青黒のクラブカラーが特徴です。ぜひガンバ大阪と応援合戦をやってほしいところ。
ゴール裏を率いるULTRAS HAWKは積極的に動画をアップしているので、手軽に応援風景を見ることができます。熱いです。






原曲は韓国のOiパンクバンドDirty Small TownのLet's boating Party。前述のNO BRAINと比べるとアングラなシーンで活動していたバンドで、以前は日韓Oiフェスティバルにも出演していたそうですがボーカルが急死してしまい解散。原曲動画の前半部分で流れる曲もチャントに使われているのですが(おそらく別のバンド)、そちらの情報は発見できず。






ポール・マッカートニーの名曲をチャントに持ってくるとは・・・しかしその振り付けは一体・・・(笑)





言わずと知れたチェルシーのオフィシャルアンセム。まさかの山形とおそろい。


城南一和天馬



A3やACLで長年Jリーグの前に立ちはだかってきた城南一和でしたが、メインスポンサーだった統一教会総裁の死去をきっかけに財政難に。現在は市民クラブ「城南FC」として再スタートを切っています。

韓国屈指の強豪だったにもかかわらずサポーターは少なかったようです。数年前にACL決勝ゾブ・アハン戦を見に行った際には国立のゴール裏が6割ほど黄色で埋まっていましたが、どうやらそのほとんどは統一教会から動員された方々だったらしく、頑張って応援していたのは韓国から来たと思われる真ん中の20人ほど。

長くつ下のピッピYankee Doodleなどヨーロッパの定番チャントばかりですが、ひとつだけ気になるものが・・・


まさかのFRONTALE 2000。ACLで川崎と対戦したときに持ち帰ったのか、もしくは偶然Youtubeで発見したのか・・・真相は不明。


FCソウル







Jリーグの応援を参考にしていると思われる選曲の数々。南米系も欧州系もアッコちゃんもごちゃまぜにしているあたり、応援スタイルに確固たるポリシーはないという印象。首都ということもありKリーグのなかでは集客力のあるクラブです。


2014年7月15日火曜日

W杯で大流行。Bad Moon Risingは再び旋風を巻き起こすか?

こんにちは。中の人です。
ドイツの優勝で幕を閉じたW杯ですが、個人的にはまったく乗り切れないまま大会の終焉を迎えてしまい、かなりモヤモヤしております。



先日、アルゼンチンの選手たちがロッカールームでブラジルを嘲笑するチャントを歌っていたというニュースが話題になりました。





アルゼンチン戦を見ていると必ずと言っていいほど聞こえてきたこのチャント、今回のワールドカップで初めて耳にする人もいたと思います。実はここ数年、ごく一部のサポーター界隈でちょっとした話題になっていた曲でもあります。




原曲はクリーデンス・クリアウォーター・リバイバル(CCR)というバンドのBad Moon Rising。60~70年代にアメリカで流行ったカントリーロック、もしくはサザンロックってやつだそうで。あのCMソングもこの人たちだったんですね。

LagwagonThe killersStage Friteなど、様々なジャンルのバンドからカヴァーされているので、聴き比べてみると面白いかも。




このチャントの火付け役はアルゼンチンの強豪、サン・ロレンソ・デ・アルマグロのインチャたち。サン・ロレンソの応援動画専門チャンネル、Musicuervoに登場しだしたのが2011~12年頃なので、比較的新しい曲のようです。La Gloriosa(サンロレンソのサポーターグループ)のチャントレパートリーはお蔵入りを含め100曲以上と言われていますが、そのなかでも見事に定着。
いつの間にか南米を飛び出し、世界的定番チャントの仲間入りを果たしました。


Jリーグでは徳島、柏、水戸が2013開幕から、名古屋が同年7月から歌っています。つまり、本国で流行った約1年後にはもう日本に輸入されていたことになります。流行に敏感な日本のウルトラ諸氏には脱帽です。

徳島、水戸は比較的オリジナルに近いテイストを残していますが、名古屋はどちらかというとヨーロッパ風、柏はあえて南米感を消してレイソルカラーに染め上げたという感じ。(追記 甲府もやってました。


徳島ヴォルティス(日本)

ウエスタンシドニーワンダラーズ(オーストラリア)

ベンフィカ(ポルトガル)

エラス・ヴェローナ(イタリア)


双方から影響を受けている日本はともかく、南米のチャントがヨーロッパで取り入れられるケースはそう多くはありません。アルゼンチン代表の躍進とともに再流行の兆しを見せているので、今後新たに使い始めるクラブも出てくるはず。もしもチャント流用で印税が入るシステムが確立されていたらCCRはひと儲けできたかもしれませんね。


2014年7月10日木曜日

SailingとNo One Likes Usの話


こんばんは。チャント原曲botの中の人です。

今回はロッド・スチュワートの名曲"Sailing"にまつわるお話。



アマチュアクラブの監督だったスコットランド人の父を持ち、自らもプロクラブの入団テストを受けるほどのプレイヤーだったロッド・スチュワート。
ジェフ・ベックのバックバンドをクビになったのちフェイセズに加入、解散後に「イギリス税金高すぎワロタ」とアメリカに移住しソロ名義で発表したのがこの曲です。




メロディに聞き覚えがあるサッカーファンも多いのではないでしょうか。
この曲がスタジアムで歌われるようになったのは、フーリガン全盛の70年代と言われています。

当時、本拠地ロンドンをはじめイギリス各地で問題を起こしていたミルウォールサポーター。当然ながら彼らに対する世間の風当たりは強く、常に批判の的だったわけですが、そこで開き直って歌いはじめたのがこのチャント。

"No One Likes Us, We Don't Care"

(みんな俺たちのことが大嫌い だけど知ったこっちゃねえ)


それ以降、イングランドやスコットランドを中心にSailingチャントは世界中に広まっていきました。
日本では浦和レッズのWe Are Diamondsが有名ですね。




ロッドの代表曲のひとつで、第二のイギリス国歌といわれるほどになりましたが、
実はこれカヴァーです。

オリジナルはSutherland Brothersというバンド。あんまり売れなかったこの曲がたまたまロッドの目にとまり、アレンジ加えて歌ったら爆売れしちゃったという話。こうなると元祖が気の毒ですが、ロッドの人気にあやかり2,3曲はヒットを飛ばしたそうです。よかったね。


彼はセルティックのファンで、数年前のCLでバルセロナに勝利して号泣していたのが話題になってました。「亡くなった父にこの光景を見せたかった」とのこと。



また、永遠のライバルであるレンジャーズがSailingに「俺たちはセルティックが嫌い あいつらはクソッタレだ」(超意訳)という歌詞をつけて歌ったら宗派差別だと訴えられたこともあったとか。


ロッドのソロ曲はよく聴いていないので講釈できませんが、ボーカルを務めたフェイセズとその前身スモールフェイセス(こっちにはロッドは在籍してません)は文句なくカッコいいのでオススメ。のちのパンクロックムーブメントにも影響を与えたといわれる重要なバンドです。Sha La La La Leeですよ。


2014年7月9日水曜日

ブログはじめました。

こんにちは。チャント原曲botの中の人です。

試験的にブログを開設してみました。
といってもあまり頻繁に更新することはないと思いますがw

文字数制限のためTwitterには書けない小ネタ等を紹介していくつもりなので、
興味のある方はお付き合いいただければと思います。
よろしくお願いします。